宇都宮市の地域情報誌に暮らすルームの「生前整理」が掲載されました

宇都宮市にある株式会社井上総合印刷様が発行する季刊誌「しもつけの心」の第67号に、なんと、人生100年というテーマで、暮らすルームの記事が掲載されました!!Q&A形式で、私が質問に回答しています。
井上総合印刷様、本当にありがとうございます。

下記、その内容を引用させていただきます。

「人生100年」を考える

収納・終活アドバイザー
秋山コズエさん

人生100年と呼ばれる現代。終活という言葉が流行語大賞トップテンに入ってから、早10年が経ちました。心の整理と物(モノ)の整理。なぜ人生には整理が必要なのでしょうか。宇都宮市を中心に本県で活躍する収納・終活アドバイザー「暮らすルーム」の秋山コズエさんに整理や収納、終活の動向や必要性を伺いました。

人生を前向きにする「整理」とは ~エンディングノートとデジタル遺品の整理~

Q:モノを片付ける収納以外に、身辺を整理する気運は高まりつつありますか?

A:以前は亡くなった人の葬儀や遺品整理を身内で分担する習慣がありましたが、最近は少子化や核家族化の影響で頼れる人がいない状況も多くなっています。また、大勢の犠牲者を出した東日本大震災、世界的パンデミックをもたらした新型コロナウイルスなど、死について考えざるを得ない出来事がありました。
「より自分らしく、楽しく、快適に暮らしたい」。老若男女問わず、こうした思いが芽生えているように感じます。

本来、医療や介護に頼らず自らの意思と力で生活ができる「健康寿命」は、令和元年時点で男性72. 68歳、女性75 .38歳。これは、内閣府ホームページ・厚生労働省(第16回健康日本21〈第二次〉推進専門委員会資料)の数字ですが、定年退職後10年余りで健康寿命の終わりを迎えるということになります。ここから先の暮らしをいかによりよいものにするか。そのための人生の整理(棚卸し)が必要です。

Q:具体的にどうすれば?

A:「エンディングノート」の作成をおすすめします。


ノートは、死を考えるネガティブなイメージもありますが、自身の病気発覚を機にエンディングノートを作成し始めた60代女性の体験談によると、最初は死への恐怖や残す家族を想い、涙を流しながら少しずつ書き始めたものの、生きてきた日々を振り返り、やり残したことを記す「やり残しリスト」を書き出すうちに「死んでたまるか!」という気持ちが段々強くなったといいます。
人生の棚卸しをすることで、病気に立ち向かえたのです。女性はリストに書いた、「旧友に会う」を叶えただけでなく、念願だったキッチンのリフォームもご主人様の協力を得て叶えることができました。次なる目標は、新しいキッチンで料理をし、友人たちをもてなすこと。やり残しを一つ叶えるたびに、新しい自標に繋がるワクワクが楽しみになったそうです。
このように残りの人生を有意義に楽しむための道標がエンディングノートにはあるのです。
ノートは市販のものでも、オリジナルでも問題ありません。重要なのは後悔のないエンディングを事前に準備しておくこと。それは大切な人への最後の思いやりでもあります。「こんな時は、ああしてほしい、こうしてほしい」と希望を記した「自分の取り扱い説明書」があることで、託す側も託された側もお互い安心と喜びを感じることができるのです。

Q:注意する点はありますか?

A:見落としがちなのが「デジタル遺品」です。デジタル遺品は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に保存されているデータやインターネット上の登録情報のことで、最近は、セキュリティのため家族でも手出しできない例が後を絶ちません。
例えばネットショッピング。一括払いで購入したものなら一度の支払いで終わりますが、「定期購入」での買い物は解約しない限り購入が続いてしまいます。また、ネット上で長期分割払い購入をしている場合は予想以上に支払う金額が多いため、可能ならばすぐに一括返済した方が賢明です。
ほかにも、「ネットバンク」や「ネット証券」などネット内の資産の中には通帳もなく、合併などで会社名が変わり混乱する例もあります。元気なうちにそれらを整理するか、パスワードなどの個人情報をノートにメモしておくことでトラブルを未然に防ぐことに繋がります。

ひと昔に流行ったネットバンク。いわゆるデジタル遺品となった通帳


Q:人生100年。秋山さんが考える収納とは?

A:私の場合、20代は流行りのファッションを追いかけて洋服がたくさん。 30代は子育てグッズや子どもの衣類、おもちゃが一気に増え、 40代になると子どもの服も大きくなって収納が狭くなってきました。
このように人は、時代や年代とともにモノを持つ事情や環境が変わっていくのです。私は、その人のライフステージに合わせて「今の生活で使うモノ」と「心から好きなモノ」の中で、「常に動いているモノ」だけを性格に合わせて収納してある暮らし方が最適だと考えています。
きちんと並べたい人、ざっくり投げ込んでおきたい人、見えないようにしたい人。どのやり方も正解!自分が楽、気分が良いと思えるやり方でよいのです。そして自分が大切だと感じるものや思い出のモノを無理に捨てる必要はありません。大切なモノは「思い出箱つ分」と決めて、その中にしまっておけばいいのです。

まず、持ち物を絞ると管理がとても楽にできます。
流行を取り入れたファッションも素敵ですが、服も靴もバッグも、着心地がいい、使いやすい、気に入ったものだけを残し、それらを手入れしながら大切に使うシンプルな暮らし。何が、どれだけあるのかが見渡しやすい収納。生活で使用する道具類は、常に使う場所の近くで待機させ、サッと取り出し簡単にしまえる暮らしのエ夫ー。
これらがまわり出すと掃除がしやすくなります。掃除がしやすいと短時間で簡単にきれいになるので、心の負担が軽くなります。すると「友達でも呼んでみようかな」という気持ちになります。
友人が遊びにきてくれて、楽しい時間を過ごすと幸せになれます。料理も、整ったキッチンがあるだけで「作ってみようかな」と前向きになれるのです。
いつ出番がくるかもわからないモノに占領された空間と価値観を捨て、100年の旅の途中で出会った大切なモノに囲まれ最期を迎えられるのは幸せなことではないでしょうか。シンプルな思考で、モノの持ち方とその方に合った整理・収納方法を伝え、前向きになれる活動をこれからも広めていきたいです。

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