お客様のモノの持ち方 〜失くすから多めに買っておくという考え

 自分のキャパ(容量)を知って、管理できる分だけを持つことを知れば怖くない

こんにちは、栃木県内を中心に整理収納のアドバイザーとして活動している、暮らすルーム秋山コズエです。

今朝は、雨足が強かったですね。小学生の次男が出発する際に、ランドセルに予備の靴下やハンカチがあるかを確認し、元気にOK〜!
傘を渡して、さぁ行ってらっしゃい!
バシャ、バシャと歩く音が遠ざかったと思ったところで、スマホに一通のメッセージの着信がありました。


「朝のお忙しい時間に申し訳ありません。子供のカッパが見つけられないのですが、秋山さんがどこに収納されたか覚えていますか?⚫︎⚫︎色の⚫︎⚫︎(特徴)です。もし、わかれば教えてください。」

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現在、おうち丸ごと整理と収納をさせて頂いている、40代のお客様からのメッセージです。

 つい先日のご訪問で、玄関近くの収納スペースを片づけた際に、「折り畳み傘」「カッパ」「こども軍手」など、出番があるときにすぐに持ち出せるように、それぞれケースに収納してラベルをつけたので、カッパならそのケース!と思ってすぐに返信しましたが、すでにそこは探しており、見当たらないとのこと。


「あの箱にはないですか?あっちの袋の中はどうですか?」とすぐさま返信しました。

通常は、使う場所の近くに一ヶ所に集約して収納するので、私も迷うことなく回答できるのですが、こちらのお客様の場合は、ちょっと特別です。3人のお子様の折りたたみ傘だけでも使用中のものが10〜15本はあろうかと。カッパもおそらくごきょうだいのサイズが分かれたものの開封済みが5、6着、未開封のストックも同様に5、6着はあります。

そうです、ストックが大量!!なのです。ストックのような出番待ちのモノも本来は一ヶ所に集約するので、あちこちに点在させることはほとんどないのですが、さすがにしまいきれず、一軍の傘、カッパを玄関近くに置いたあと、別の場所に大量のストックをしまったのです。
思い出してきました・・・作業の際に「この⚪︎⚪︎色のカッパは、自転車に乗るとき用なので、着られるけれどほとんど出番がない」とお客様から聞いていたモノでした。もしかすると私が無意識に別の場所に収納してしまったかも!?「シューズクロークの中?」または「自転車のヘルメットを入れるカゴの中?」置いた覚えはないけれど、思い出せる限りの可能性をメッセージに打ち込んで、送信しました。

きっと、朝の準備の中で「カッパがない!」となり、お客様もお子さんも慌ててしまったのでしょうね。
「使いたい時に、使いやすいように!」をモットーに整理して収納しているのに、「いざ使いたい時にない・・・😭」となっただろうと思うと、整理収納のプロトしては、お母様にもお子さんにも申し訳ない気持ちになりました。

そのあとも、気になって仕方ない私は、お客様とへ何回かメッセージを送り状況確認をしましたが、結局見当たらず傘だけさしてお子さんは登校されたとお返事がありました。

先ほども少し書きましたが、こちらのお客様のお宅はとにかく「ストックが過剰」それも、ご購入の際の数がゼロが一つ多いのです。つまり、1個買えば足りるものを10個買うような感じです。ご夫婦ともにお仕事で忙しく過ごされているので、3人の子供達ができるだけ1人でも学校の準備ができるように、探さなくて済むように、多めに買っておく。というお考えです。

「え?そこが違うんじゃないの?」と感じたあなたは、モノがむやみに増えない持ち方ができる人だと思います。

お客様の生活では、見当たらない物は、「探す」よりも「買い置きを新たに出して使う」という生活スタイルでした。探すよりも買った方が早いという時短の意識と、忙しい朝に慌てたくない、夜になって急に言われても対応できないことを避けるために、どちらかというとご自身の安心感を満たすために、必要以上の個数を買ってストックしておくという習慣になっていました。

しかし、そうしているうちに予備で買ったモノたちを子供達が次々開封し使うと、どんどん「現在使用中のモノ」が増えていってしまい、傘やカッパだけではありません。お子さんの水筒は20本以上キッチンやリビング、玄関にまで置いてあります。ティッシュやハンカチを入れる後付けのポケットは30個以上、ハンカチも50枚以上は床に散乱しています。こなると、洗濯しても戻す場所もありません。洗った水筒を置く場所もありません。

それどころか、子供達が「自分のモノ」なのかどうかもわかっていません。

もはや、大量のモノにリビングのスペースも心も支配されてしまい、私が初めてお会いした時には、素敵なお家の中は床が見えないほどにモノが散乱しており、お母様ご自身もこれまで自分でネットで安易に購入したモノに埋もれており、かなりのストレスを感じているとお見受けしました。

こちらもイメージ画像です

しかし、もう大丈夫ですよ!!私も魔法使いではないので、一気に一瞬で片付くことはありませんが、散乱したものを一つずつ拾って分ければいいのです。

まずは、明らかなゴミ。飲み終わったペットボトルや、お菓子の空袋などです。これは、即捨てです。
次は、脱いだ靴下や使ったままのタオル、ハンカチなどの衣類、すぐに洗濯するものです。
さらに拾うと、元に戻っていないものが出てきます。食器、フォーク、通学用の帽子、教科書、絵の具セット。それらを元の場所へ戻します。

だんだんと、床が見えてきました。

あとは何でしょうか・・・・学校のプリント、漫画本、おもちゃ、充電ケーブル、文房具・・・・充電ケーブルも何本拾ったかわからないほど出てきます。これらをしまう場所を伺うと、「特に決まっていないのでその辺に置いています」というご回答。

おく場所が決まっていなければ、当然のことですが、モノはフラフラと浮遊します。浮かぶというより、使ったものをその辺にポイするので、次に使うとまたそっちにポイ。そうしているうちにどこにあるか行方不明となり、見当たらなくなってしまうのです。

しかし、場所が決まっていないならば、ここでいきなり場所を決める事はしません。一旦、モノのジャンルごとに分けておきます。

3時間ほどかけて、床に落ちていたほとんどのモノを拾い集めて、ジャンル分けもしました。これは、「グルーピング」という整理収納をする過程での大切な作業の一つです。


目の前にモノを「集めて」「種類ごとに仕分け」をした段階で、ほとんどのお客様がこう言います。

「こんなに、あったんですね・・・」  

ため息をつく方、目を丸くする方、笑っている方 ・・・お客様によってリアクションも様々です。共通して言えるのは、自分でどのくらいの量を持っているのか、ご自身が把握していな買ったことに、皆おどろいているのです。

こちらのお客様は、溜め込んでしまったモノを私と一緒にほぐしながら、現時点で5回のご訪問を継続していますが、少しずつ現実と向き合い、できるだけモノを増やさないことを意識しながらの生活が始まりました。今あるものを「使い切ること」「減らすこと」をご自身で心がけていらっしゃいます。すぐには減らないかもしれませんが、増やさない事は努力すればできますからね。


「 自分のキャパ(容量)を知って、管理できる分だけを持つ。」


整理することは、部屋を整える意味だけではなく、こうして「あるのに買う」というムダな行為もなくなるのです。とっても基本的なことですが、片づけの効果は「部屋が綺麗になる」それだけではない、そのひとつ先にも大きな変化が待っているんですよ。

本日も、最後までお読み下さり、ありがとうございました。

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